鳥海山ろく線おばこ号の旅

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新緑の鳥海山ろく、高原鉄道から消えたおばこ号の顔

facebookページ 由利高原鉄道ファン に連載された推理物語です。

この結末は、秋田大鉄道展にて確かめてみましょう。

それは平和な朝から始まった

それは4月の事でした。始発列車が発車する前、開き始めた矢島の桜を眺めていたときに、いつもと違う、なにか変な感覚にとらわれたのです。「何だろう、この違和感は?」そして気づきました。「か、顔が無いっ!」 ΣΣ(゚д゚lll)ガガーン !
新緑の鳥海山ろく、高原鉄道から消えたおばこ号の顔

矢島駅進入列車から確認

「か、顔が無いっ!」 ΣΣ(゚д゚lll)ガガーン !
その事実を確かめるため、矢島駅に到着する列車から確かめてみると。。。。。なんと、車内を含めて他の部分はそのままなのに、スッポリと顔だけが消えていたのです。
「こ、これはどういう事なのか?いつ、誰が、なぜこんな事を!?」
— 場所: 由利本荘市 矢島駅

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現場を確かめる

顔が消えたおばこ号。「謎を解くためには現場を確かめないと。」私は出向きました。矢島駅の改札を出て右に、あっけなく現場についた私は改めて息を飲みました。やはり顔がスッパリ消えています。切り口は奇麗な直線。どうやらガスバーナーで切断したようです。「少なくともUFOの仕業では無いな」と一人笑い。それにしても妙な感じです。ドアレールも途中で切られ、残されたドアが所在なさげに顔を出しています。「窃盗ならば時間をかけて奇麗に切り出しはしないし、YR-1500形最大の特徴の偏心台車(*1)を残すのはおかしい。ならば、廃車解体か?いや、それもおかしい。」その理由は次回に・・
新緑の鳥海山ろく 現場

*1 偏心台車:今回、顔(運転台)が消えたYR-1500形は鉄道車両では珍しい構造を持っています。写真を見ると車輪と車輪の間のバネの部分が右に寄っているのがわかるかと思います。これはYR-1500が15mと短い車体で軽いため、加速中にスリップしないように動力のかかる右側の車軸に車体の重さを集中してかけているのです。中心を偏らせているので偏心台車と呼ばれます。車輪の右側にはエンジンから伸びたプロペラシャフトが見えます。ちなみに動力のかからない反対側の台車は普通の左右対称の物となっています。もちろん四輪駆動にすればスリップしづらくなりますが、構造が複雑になりコストも上がってしまいます。軽く安く作る工夫が凝らされているのです。

廃車解体か?

顔が消えたおばこ号。これは廃車解体か?いや、それもおかしい。なぜなら、廃車解体なら写真のような重機を使って短時間ですべてバラバラにしてしまうからだ。(*)重機を借りるのも運ぶのにもコストがかかるので、何度も足を運んで解体する訳が無い。という事で、廃車解体の線は消えた。それにしても、いつ顔は消えたのだろうか? 続きは次回に(いつまで続く!?)

解体重機

*廃車解体の様子はこちらに。ちょっとショッキングなので、リンクのみにとどめておきます。

最後に走ったのは2012年9月30日

矢島駅に置かれていたYR-1503の顔がいつ消えたのか?ヒントは「鉄道の魅力」ページにありました。
「2012年9月30日、3輛在籍していたYR-1500形のうち1輛がYR-3000にバトンを渡すため、これを記念した「最後の3輛連結運転」(*)が行われました。」とあります。この中、佐藤和博カメラマンによるYR-1503を先頭にした3両連結の雄姿が記録されています。プロの撮影なので、確かでしょう。この日限りの「最後の3両連結」のヘッドマークもついています。この運転の後、YR-1503は矢島駅に留め置かれるようになりました。顔が消えたのはその後という事になります。

13D YR1500三連ラストラン 子吉〜鮎川 佐藤和博

*「最後の3輛連結運転」は3両在籍するYR-1500形のうちYR-1503が引退するため、3両揃って運転できるのがこの日限りとなる事を記念した列車。鉄道ファンの春田社長が企画したと言われます。列車にはこの日限りのヘッドマークも掲示され、全国より鉄道ファンが撮影に訪れまし。また、記念乗車券記念キーホルダーサボなども販売され、YR-1500形に脚光が当たった最初のイベントと言えます。

表情が違う!?何だそれは?

顔が消えたYR-1503。顔が消えた時期は3月21日から4月26日の間とわかりました。でも、新しく入った情報「なんとYR-1500形の顔は両側で表情が違う」とは一体どういう事なのでしょうか?この答えは、「2012年9月30日 YR-1500 最後の3輛連結運転」 にありました。(*)  「これだ!」3両連結の列車を撮影した写真の数々を見くらべていた私は声を上げました。なんと目がパッチリしたような顔と眠たげな顔の2つがあるではないですか!左は矢島側の顔。右が羽後本荘側の顔。で、消えたのは・・・・右の眠顔でした。「それにしても、車体が15mと短い、偏心台車が片側だけにつく、前後で顔が違う。鉄道車両の常識から逸脱している。侮れないなYR-1500形。」そんな変わった車両なら突然顔が消えても不思議ではない・・・訳がない!知れば知るほど謎は深まって行きます。(という事で続く)

YR-1500 顔の違い

* 今まで明かされていませんが由利鉄のwebは今現在119ページ、画像は654枚あります。これにお知らせページ111件、商品40件、アテンダントブログ、faebook、twitter(3つ合わせて今年だけで700件弱)が加わるので、とんでもない情報量です。何でも出てくる訳です。

顔があった!?

「YR-1503の顔が消えた、それも眠顔の方が。いったいどこに行ったのか?」手がかりはつかめないままだった時、突然、衝撃的な写真を入手する事ができました。それがこれです。確かにYR-1503の眠顔です!でも、一体どこなのでしょうか?背後の雪から、雪国である事がうかがえます。遠くには行っていないようですね。パレットに乗っている事からフォークリフトがある場所でしょう。雨樋の下にはクレーンの吊り金具のような物が溶接されています。どうやらそれ以外は元のまま(*)。ともあれ消えた顔は無事!?だったようです。

YR-1503消えた顔

* YR-1500の顔を特徴付けているのはおでこに載っているライトと、幌枠ではないかと思います。幌枠とは車両と車両をつなぐ貫通幌の先端に付いている鉄板製の枠で、写真ではドアの周囲に黄色く塗られている部分です。YR-1500の幌枠は優れもので、普段は車体に埋め込まれていますので見た目がスッキリ。連結する時に扉を開き、幌を車体から引き出して同様に連結相手からも引き出した幌とつなぎます。実は鉄道車両の貫通幌には2種類あり、連結する両方の車両から1つづつ幌が出て2つの幌を間でつなぐ「両幌」と、幌は一つで2つの車体をつなぐ「片幌」があります。国鉄の古い客車は両幌でしたが、それ以降電車も気動車も片幌が主流となっています。なぜ由利高原鉄道では両幌が採用されたのか、興味深い所です。なお、新車YR-3000形は在来車と連結しないので片幌が採用されています。

答えはすぐそこに

顔が消えたYR-1503。消えた顔の場所はわからないですが、無事保管されている事はわかりました。それにしてもあまりに驚いたので、顔無しの写真を撮影していなかった。探してみたら、由利高原鉄道のtwitter に載っていました。やはりびっくりな光景です。横で見ていた娘が「そうか・・どこに行ったと思ったら、秋田県立博物館だったのか!」と突然言うので「えっ、なんでわかるの?」「だってつぶやきに書いてあるじゃない。」「あ!」「それに、web http://www.obako5.com/?p=6006 の記事の下にも『展示の目玉はYR-1500の運転席』って書いてあるし。」「あぁ!」という事で、「秋田大鉄道展」に行かない訳にはいきません。調べれば調べるほどYR-1500が面白い車両と思えるだけに、失われた顔に会えるのが楽しみです。しかし、何か違和感が・・(え、まだ続くの?)

顔無しYR-1503

大鉄道展の謎

顔が消えたYR-1503。消えた顔は秋田博物館の大鉄道展の目玉展示となることはわかりました。その紹介文は以下のようになっています。

秋田県立博物館では、由利高原鉄道、JR東日本秋田支社をはじめとする公共交通機関各社の協力により、特別展「あきた大鉄道展」を開催。明治時代から今日に至る秋田の鉄道史を物語る珠玉の資料が一堂に。展示の目玉は、由利高原鉄道のYR-1500形ディーゼルカーの運転台。運転台に乗って、運転席からの風景も楽しめます。前期開催の7月6日から8月25日は、小特集「機関車・電車のものがたり」、後期開催の9月10日から10月20日は、小特集「ふるさとの駅舎」。前期と後期で一部展示品替えを行う。7月13日から15日は、Nゲージ運転イベントを実施。また、会期中にミニ鉄道乗車イベントも開催。詳細は、博物館HPを参照。

さて、鉄道史を物語る珠玉の資料とは何なのか?次回最終回では、その謎が明かされます(ついに次回完結)秋田県立博物館

驚愕の展示内容、あきた大鉄道展

YR-1503の消えた顔は秋田博物館の大鉄道展の目玉展示となる事はわかりました。しかし、その大鉄道展の内容は「明治時代から今日に至る秋田の鉄道史を物語る珠玉の資料が一堂に」とだけ示され、その中身が何なのか明らかにされていません。この謎めいた告知は何なのでしょうか?「珠玉の資料」とは何なのか、調べてみると、驚愕の展示内容である事が見えてきました。。

http://goo.gl/uv0xi や http://goo.gl/RriOu などに関する内部資料、SLの部品や資料など なかなか見る事ができない資料が多数出展されるようです。出展品リストは180項目にわたり、大鉄道展という名にふさわしい充実ぶりです。あまりに資料が多いため、上期と下期で展示資料を入れ替える必要があったようです。さらに、この連載2回目にいただいたコメントから、東北森林局から森林鉄道に関する展示もある事がうかがえます。かつて秋田の山中を毛細血管の様に走り回っていた森林鉄道の資料は車でしか行けない仁別森林博物館 http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2011/08/1_2.html でなければ見られない物です。こんなすごいあきた大鉄道展の目玉展示としてYR-1503の顔(運転台)が据えられるのは光栄な事だと思えて来ました。由利高原鉄道が設立されて以来、走り続けて来たYR-1503は引退してもなお由利高原鉄道のために働いてくれています。ぜひその姿を秋田博物館まで確かめに来てください。(おわり)

【 twitter  柴犬
今年開催の「秋田大鉄道展」に展示するため、運転台をカットされた由利高原鉄道YR-1503。鳥海山がその労をねぎらっているように見えた
今年開催の「秋田大鉄道展」に展示するため、運転台をカットされた由利高原鉄道YR-1503。鳥海山がその労をねぎらっているように見えた  twitter 柴犬

秋田県立博物館 特別展「秋田大鉄道展」

秋田県立博物館では、由利高原鉄道、JR東日本秋田支社をはじめとする公共交通機関各社の協力により、特別展「あきた大鉄道展」を開催。明治時代から今日に至る秋田の鉄道史を物語る珠玉の資料が一堂に。展示の目玉は、由利高原鉄道のYR-1500形ディーゼルカーの運転台。運転台に乗って、運転席からの風景も楽しめます。前期開催の7月6日から8月25日は、小特集「機関車・電車のものがたり」、後期開催の9月10日から10月20日は、小特集「ふるさとの駅舎」。前期と後期で一部展示品替えを行う。7月13日から15日は、Nゲージ運転イベントを実施。また、会期中にミニ鉄道乗車イベントも開催。詳細は、博物館HPを参照。

【会 期】

前期 7月6日〜8月25日 小特集「機関車・電車のものがたり」
後期 9月10日〜10月20日 小特集「ふるさとの駅舎」
前期と後期で一部展示品替えを行います
※休館日:月曜日(月曜日が祝祭日の場合は翌日が休館となります)

午前9時30分~午後4時30分

【会 場】 : 秋田県立博物館 企画展示室

【入場料】 : 大人500円、大学生・高校生300円、中・小学生100円、幼児無料

【問い合せ】: 秋田県立博物館

〒010-0124 秋田県秋田市金足鳰崎字後山52
TEL:018-873-4121 FAX:018-873-4123

 

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お問い合わせ先 TEL 0184-56-2736 受付時間 9:00~17:00(平日)

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